相変わらず藝大の卒展は圧倒されるというか凄く凄い。
大学生のアウトプットというより、単に大学に籍を置いている若手芸術家の作品展という感じ。
ムサビの卒展に行くと、「みんな頑張ってて偉い」とか「ここで4年間過ごしたら楽しそう」とか「自分も頑張ろう(別にアートという意味ではなく)」とか、そういう感情が湧いたり、あるいは、数十年前のただただ時間を湯水の様に無駄に浪費した自らの大学生活を思い出して具合が悪くなったりするのですが、東京藝大の卒展はもはや別世界。「こんなところで4年間過ごしたら打ちのめされて絶望しそう」という感じです。
たまに美術館とかでやる若手アーティストの展示会とかよりも、量が圧倒的で、段違いで面白い。ただ、ムサビの卒展とどちらが好きかと訊かれれば、ムサビの卒展の方が好き。なんというか、次の部屋には何があるんだろうというワクワク感があるんですよね。
それで今回は、11時から15時まで4時間滞在。14時半でほぼ電池がエンプティ。昼食も摂らず(疲れるから)、こまめに飴とかチョコレートとかカロリーメイト食べるなどの工夫をしましたけど、3時間半で集中力・体力ともになくなりました。体力付けねば。
一応、一通り全部観ましたが、スマホがポンコツでカメラ起動に数秒かかるうえ、バッテリーヘタレ気味なので写真は少なめです。

藝大の卒展は一日で見られる
作品数は相当あると思うのですが、一日で見られます。もちろん全力駈け足ですが。
何割かは東京都美術館に展示されているので、さすがに美術館だけあって効率的に見ることが出来るというのと、キャンパス内の展示も、どの部屋で展示しているかとか、この先には何もないとか、そういう情報がとても充実しているので、ムサビと違って無駄な動きが殆ど生じません。
印象に残った作品
印象に残った作品はたくさんあるのですが、とりわけ印象に残ったのがこちらの4点。

東京都美術館の入ってすぐのところに展示されていた日本画。
これはなんかじゅわじゅわ来るというか、ソファでも置いてくれたらずっと見ていられる様な穏やかで心地よい作品でした。

これも東京都美術館。
たしか海外の方というか、ハーフの方(たぶん)で、日本に来て銭湯に行って衝撃を受けた的な事が書いてありました。なんか目に飛び込んできます。この色は好き。

これも東京都美術館。
なんというか、何とも言えず不思議感のある絵で引き寄せられたのでした。

そして、こちらは大学の美術館。
実はこの作者の方の絵は結構好きでして、初めて観たのがムサビの卒展。いーなーと思って記憶に残ったのですが、次に観たのが郷さくら美術館の桜花賞展。そして今回。いずれも味わいがあっていいです。
一通り全ての展示を観終わった後、帰る前にもう一回この絵を観ておこうと立ち寄ったら、ちょうど作者の方がいらして声を掛けて頂きました。
いやー行った甲斐がありました。
いい感じの絵画棟
ムサビの5B号館とか6号館もいい感じだと思うのですが、藝大の絵画棟もいいですよね。
景色もいいし、屋内や窓と景色がセットになって更にいい感じです。たまたま近くにいた方が廊下の流しと無造作に置かれた椅子とその向こうの景色が気に入ったらしく、「これがいい」とか言いながら、写真撮っておられました。思わず「いいですよねー」と声かけようかと思ったんですが変な人と思われそうで我慢しました。

スカイツリー

廊下と流しと窓とスカイツリー。こっちの方が好き。

そして何より、この景色が好きなのです。階段と窓とたぶん南の景色。



そして、このケーブルラックとダクトがいい。
その他の景色
たぶん、総合工房棟。

これたぶん、ぜったい公衆電話が並んでたんだと思う。

そして、エレベータは使わない様にという涙ぐましく切ないポスター。
東京藝大そんなにお金がないのか。
音楽学部はお金がないからピアノを売ったって記事があったけど、美術学部は売る物がないのだろうか?
今回、キャンパスのあちこちに募金箱が置いてありました。すみません入れようと思いつつ忘れて帰ってしまった。

そしてギャラリーストーカー対策のポスター。
割と大人しめで普通というか、定形フォーマットな感じ。無自覚のストーカーに気づかせるバージョンのムサビは一歩進んでると思った。
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