2024.10.07(Mon) 荒川 皆野中 → 樋口(8.0km)
曇りのち晴れ(秩父 max 27.6℃) 水位:親鼻 1.39
大物ルーキー長瀞を行く
結界 KEKKAI
今シーズン20回目のダウンリバーは、今年3回目となる長瀞です。
メンバーは四万十つながりのOさんと、Oさんの親戚のKさん。
今シーズンのソロデビューで、多摩川を2度下った大物ルーキーのKさんが、いよいよ長瀞に挑みます。
果たして、長瀞の洗礼を受けまくりまくるのか?!
期待は高まりますが、朝の時点で親鼻水位は1.39。
ちょっと低い。
この水位だと、秩父から下るという選択肢はありません。スタート地点の第一選択は皆野中の裏。
7:07に家を出て、この日は299で長瀞へ。
ちょっと早く着きそうだったので皆野中の裏に寄ってみます。
果たして、皆野中裏の川原には、なにやら強力な結界が張られていました。
縄を支える柱には、それぞれに「おねがい」の看板。さらには入り口に掲示された「土地の占用と工作物の新築」についての許可書が御触書の様に威容を放っていました。
いきなりちょっとビビります。
結界は、川原の川側の半分に張られていて、学校側の半分は自由に通行可能で車を停めるスペースもあります。
さらに、奥の方へ行くと、結界を通らず川に降りることが可能と分かりました。
ここはひとつ、文意通りに解釈すると、結界の外に車を停めて、結界の外側だけを通って川に降りていくなら、何も問題はないと言うことになります。
しかし、高校時代、私は現国がかなり得意でしたから、作者の意図を色々考えてしまいます。文意通りに解釈していいのか?
しばらくすると車がやって来て結界の内部に駐車。
おおっ!
程なくして車から男性が降りると、後ろのハッチを開けて、胴長を出したりして釣りの準備を始めました。
市外ナンバーでしたから普通の釣り人だとは思いましたが、念のため「漁協の方ですか?」と声を掛けると、思った通り普通の釣りの方でした。情報収集開始。
どうやら釣りの人はこの結界内に駐車することになっている様です。
フレンドリーな雰囲気の方でしたが「僕は気にしないけど気にする人はいますね。気の強い人とかもいてひと悶着あったりとか。」などと、恐ろしい話を爽やかになさいます。
この時点で結界内に車は2台。
平日だしそうそう混んだりはしないだろうと思いつつ、ここを第一候補として、駄目なときは上長瀞スタートに短縮もありかなと見当を付けて集合地点へ向かいます。
9:17 樋口着。
駅でトイレを借りて、さらに待ち合わせまでまだ少し時間があったので、川を見に降りて行きます。
なるほど親鼻1.39というだけあって見た感じ浅めです。
そして旧二股の瀬をスカウティング。
何と言いますか、落込みのスロープの部分に岩の出っ張りが2つ。
ギリギリ水面下ではありますが、場合によっては艇の底に当たるかも。
出っ張りの正体は板状の岩で、それが2枚、流れに沿って並行に並んでいる様がいかにも感じが悪い。
どうしようどうしようと思っていると、Kさんがやって来ました。
「ここを下るんですか?」と不安そうに仰るので、「いやいや、ここはお好みです。」と応えます。
荷物を積み替えて、皆野中の裏へ。
果たして結界内の車の台数は5台ほどに増えていました。
でも、こちらも3人なので少しは安心です。
不安はありましたが、結果的には何事もなくスタート出来ました。
まあなんだかんだ今まで何事もなくスタートできなかったのは14回中1回だけ。
でも1回あると、トラウマとまでは行きませんが気にはなります。
もちろん、その1回も平和的な解決ではありましたけど。
もう15年以上前になりますが、はじめは、親鼻橋まではカヌーは禁止だよと言われ、電車で来たことを伝えると、しょうがねえ行っていいよと言われ、スタートさせてもらえたのでした。
そりゃあ、アンタラ何様だとは思いましたけど、もちろんそんな不満はグッと飲み込み、すみませんと恐縮してスタートさせて頂いたのでした。
さて、8月に同じメンバーで多摩川を下った時は、沈の際にライフジャケットが顎まで浮いて来る人がいたり、ヘルメットの顎紐が外れる人がいたりとグダグダ感満載でしたので、この日は朝礼を実施します。
Oさんによる注意事項説明の後に安全コールを実施。
これで是正処置は完璧です。
ダウンリバーレポート
11:06 スタート。
スタート地点では視界内に釣り師の方が2名ほど。
なるべく影響のないところから艇を出します。
天気予報は完璧な曇りだったのですが、多少青空もあり。
水温は17.5℃。
一応ウェットのパンツも持ってきていたのですが、下はいつも通りの化繊の短パン。
上は長袖のラッシュガードの上に化繊のTシャツ2枚。
念のためパドジャケをドライバッグに入れましたが出番はありませんでした。
水位は予想通り低くて、簗の瀬は中洲の右ルートを選びます。
合流後に振り返ると、ラストの瀬の部分は左ルートでも下れそうな感じでした(そこに行くまではどうか分かりませんが)。
多摩川では気が付くと先頭を漕いでいることの多いKさんですが、この日は最後尾をキープ。
親鼻橋の手前辺りで鉄橋を指さして、「あの鉄橋までは大丈夫です。鉄橋から先は難所が続きます。」という事と、長瀞での水面ヒエラルキーの頂点は遊船であり、遊船はラフトや釣師よりも偉いという事を伝えます。遊船最優先。なーんてね。
幸い10月の平日なので遊船はあまりいません。
そして、鉄橋下へ。
私とOさんが先行してパーフェクトなフォロー(撮影)態勢を取ります。
しかし、期待は破られKさん華麗にクリア。
続くセイゴの瀬も楽しそうにクリアです。
やはり、水位が低すぎたか。。。
セイゴの先の右岸には、去年も見かけた大きいハチの巣。毎年同じところに作るのか?それとも去年の巣がそのままなのか?
既に役目を終えたのか、ハチの姿は見えず。
そして、小滝へ。
まずは中洲に上陸してスカウティングとレクチャーを実施。
ちょうどいいタイミングで遊船もやって来たのでコース取りなどを観察します。
やはり1.39なのでそれほど迫力はありません。
とはいえ、小滝ですから期待が高まります。
まずはOさん、次いで私が下って、瀬が終わるあたりの両岸で待機。
万全のフォロー(撮影)体制ですが、ここでもまた、Kさんは期待に応えることはありませんでした。
「なんかそつなくこなしますよね」
などとOさんと会話。
この日、遊船は前半コース、後半コースともにチラホラ見かける程度。
乗客はインバウンドの方が目立ったかも。
そして、二股の瀬へ。
二股の瀬の手前
セイゴや小滝よりも大きく跳ねますが、Kさんここでも爽やかにクリア。
もはや手が付けられません。
ランチは、二股の瀬の直ぐ先の、右カーブのところの右岸。
12:17頃から1時間あまり。
いつもの様に、コーヒーとおにぎりと、お二人から頂いたお菓子。
何度か遊船が通りますが、そのたびに手を振ります。
13:32 後半の部スタート。
「ここからはもう、それほど大きな瀬はありませんが、なんだかんだ実績ベースだとここから先の方が沈が多いです」
そうKさんに警鐘を鳴らします。
そして、高砂橋を潜ってクツナシの瀬へ。
ここは、6月にOさんが沈を食らったところです。
ちょっとひねりが入っていますから沈しやすい。
否が応うでも期待が高まります。
しかし、ここでもまた、Kさん堅実にクリア。
「いやー、沈しそうになったけど、さっき教えてもらったやり方でパドルを挿したら持ちこたえられましたー」と爽やか過ぎ。
それを聞いたOさんは「なんて余計な事を言うんですか!!」と怖い顔を向けて来ます。
このままではノー沈で長瀞デビューが終わってしまうかもしれません。
この後も、あわや沈という場面があったのですが、ことごとくクリア。
ああ、やっぱりこれが、運動会が待ち遠しかった人と、待ち遠しくなかった人との差なのか。
14:21 ゴール。
荒川の神様が次々と繰り出す瀬を悉く退けて、Kさんは結局ノー沈です。
低水位だったとはいえ、ソロでの川下り3回目の長瀞デビューでノー沈とは。。。
スポーツマンと庶民の差をまざまざと見せつけられてしまったのでした。
突入!旧二股の瀬
ゴール後、旧二股の瀬を確認します。
やはり水位が低くて、岩の出っ張りがギリギリ水面下という状態は変わりません。
Oさんは落ち込みをじっと見つめて、
「今日はパスします。」
パスする勇気。流石です。
自分はどうしようかとちょっと迷ったのですが、考えたら先月の丹波川の「T字路の落込み」に比べれば、今日の「旧二股の瀬」は若干水位が低いとはいえ、それほど難易度は高くありません。
ここはひとつ、普段より多少難易度が高い「旧二股の瀬」にも慣れておくべきでしょう。
「所詮血塗られた道だ。僕は行きます。」とOさんに言います。
「えっ?」という反応。
ちょっと理解されていない様子だったのですが、これを説明して何の意味があるだろうかと思いとどまり、代わりに「逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ」と言い直しましたら、なんとなく笑った様だったので、ご理解いただいたのかとも思いつつも、元ネタは知らずに単にそのフレーズに笑っただけなのかも知れません。
なかなか緊張が高まります。
胸からお腹に掛けて、ザワザワざわーっていう感じ。
艇に向かって歩きながら、副腎に指令を送ります。
アドレナリン最大展開!
数十メートル先の岩場でスマホを構えるOさんに手を上げて合図してスタート。
まあ、ここはどう突入するかという事に尽きる訳で、突入した後は私のレベルで出来ることはありません。
問題なくクリアするか、あわやフリップしそうになるのを何とか堪えてクリアするか、或いは一瞬でひっくり返されるか、いずれにしても一瞬で終わる筈。
そして一瞬で終了しました。
結果は無事にクリア。
突入後は特に普段と変わるところはなく、いつもと違うのは突入までの恐怖感の差だけでした。
翌日、Oさんから共有された写真を見たら、思いっきり腰が引けておりましたです。微妙に恥ずかしい。
という事で、やや不本意ではありますが、Kさんの長瀞デビューは無事にコンプリートしたのでありました。思い出に残る初長瀞になればいいのですが。。。
そして、樋口のゴールから重い艇を背負って、あの急坂を上るKさんの足取りはぜんぜん軽やかです。勿論ここでは先頭。
全力で息を切らしている私とは別世界。
Kさんの背中を見ながらOさんと「もはや我々にアドバンテージはありませんね」という見解で一致したのでありました。
スタート地点の皆野中に戻って、15:45 解散。
今シーズンは、これにてたぶん終わりでしょうか。
一応、川の神様と荒川の神様に今シーズのお礼と来シーズンの事をお願いして、長瀞を後にしたのでありました。
瀬の印象メモ
親鼻水位1.37~1.39。
皆野中と親鼻橋の間の「ヤナの瀬」
浅いので中洲の右コースを選択。
合流後振り返ると、ラストの落込み部分は左コースも行けそうな感じだった。
ただ、中洲の分岐後からラストまでの状態は不明。
鉄橋下~セイゴ
かなり迫力がない感じ。
小滝
かなり迫力がない感じ。
二股の瀬
そこそこ楽しい。いい感じだけどもう少し水位が欲しいところ。
樋口の落込み( 旧二股の瀬、旧S字の瀬 )
ギリギリの隠れ岩が2つあって、恐怖感が高まったけど、いざ突入してしまえば特に問題はなかった。
釣師の状況
たぶん2人。
皆野中の裏でお二人見ただけで、他のエリアでは見かけなかったと思う。たぶん。
皆野中の裏には漁協の結界あり。スタート時点で、結界内に5台くらい停まっていた。
特に問題なく準備・スタート出来ました。
Data
■河川 :荒川
■コース:皆野中裏 → 樋口 ( 8.0km )
■用艇:NRS Bandit1
■メンバー:Oさん、Kさん
■天気:曇りのち晴れ
■釣師:2人くらい。たぶん。(皆野中裏のみだった気がするフライの人?)
■水位:低め
水分水質データベースによると親鼻水位は、1.38。(リアルタイム水位では1.37 ~ 1.39)
■水質:普段より少しイマイチ。
■水温:17.5℃(皆野中裏 11:00)
■気温(秩父):気象庁によると最高気温:27.6℃。
■スタート地点駐車場:-
■ゴ ー ル地点駐車場:樋口駅日貸駐車場。(530円)。
■タクシー:利用なし
■電車:利用なし
■バス:利用なし
■昼食:おにぎりとコーヒー。頂いたお菓子。
■服装:化繊の半ズボン + 長袖のラッシュガード + 化繊のTシャツ×2。
7:07 出発。(下道 299)
皆野中裏に寄る。
9:17 樋口駅駐車場 着。
(カッコ内は経過時間)
11:06 (0:00 - 0.0Km) 皆野中
11:20 (0:14 - 1.1Km) 親鼻橋
11:25 (0:19 - 1.6Km) 親鼻橋鉄橋
--:-- (-:-- - 1.9Km) 小滝の瀬
--:-- (-:-- - 3.1km) 長瀞の遊船乗り場
ランチ(二股の瀬の先の右カーブの右岸。12:17頃~13:30。1時間13分)
13:39 (2:33 - 4.4Km) 金石水管橋
13:47 (2:41 - 5.2Km) 高砂橋
--:-- (-:-- - 5.4Km) 遊船の終点
14:21 (3:15 - 8.0Km) 樋口・ゴール。
ゴール後、旧二股の瀬。
15:45 回送後、皆野中にて解散。
※距離はマピオンのキョリ測で測りました。
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