調査と計画
Day2. 小川の後、古座川を下見
スタート地点の探索
小川の翌日は古座川本流を下ります。
まずは、前日の5/9に小川からゴールして、達成感マックスの余韻に浸りたい中、休む間もなく下見のために上流へ車を走らせます。
書物によると、スタート適地は、(1)真砂(2)三尾川(3)一枚岩の3か所です。
このうち、一枚岩が最もメジャーっぽい。
それぞれをスタートして月野瀬のリバーサイドまで漕ぐとすると、漕行距離は、
(1)真砂から・・・22.6km
(2)三尾川から・・17.6km
(3)一枚岩から・・11.8km
せっかくなら上流から漕ぎたい。
そして、この時点で河口まで漕ぐという案は既に100パーセント消滅しておりました。
海から吹く風様強すぎです。
っていうか、本当のことを言うとそんなに強いわけではないけど(漕がないと微かに押し戻されるレベル)、もう漕ぐの苦手なのです。放っておいても下って行くのが好き。
それで、一枚岩はとても分かりやすいし艇も出し易そうなのですが、真砂と三尾川の入川道がはなかなか発見できません。
それにどちらも、道路から水面までの標高差がかなりあります。
内水面漁協のサイトを見ると、それはもうそこかしこに入川道のマークがあるのですが、ちょっと怪しい。なんとなく釣師さんはかなり難易度の高いカモシカルートも平気なのではないかと想像します。
それに真砂の橋から下を覗いてみますと予想通り、ちょっと漕ぐ気がしない水の汚さ。
どこもそうでしょうけどダムの直下は水が汚い。
古座川も色んな支流からきれいな水が流れ込むことで綺麗になっていく様です。
したがって、真砂から漕ぐという案は、仮に入川道が見つかったとしても遠慮したいという感じでした。
5/9 下見
三尾川まで下ると、水質は悪くなさげですが、やはりパッと見には入川道が見つからない。
まあ、頑張って探したら見つかるとは思うのですが、ちょっとこの後、串本のお風呂に行きたいのです。
しかも、単に風呂に入れればいい訳ではありません。まず一風呂浴びて、スーパーオークワに寄って酒と肴の買い物をして、テントを張り終わって、いつ寝落ちしてもいい状態で一人宴会を開始するというのを明るい内に始めねばなりません。
これは譲歩の余地がない条件です。
そうなるとのんびり入川道の探索をしている時間はありません。
まあ、三尾川ならぶっつけでも入川道は見つかるだろうと思いながら時間切れで引き返していると、蔵土という集落の住吉神社の辺りで、良さそうな入川道を発見しました。何といっても高低差がないのがありがたい。
ちょうど農作業をしている方がいらしたので、通っていいか訊いてみたら「私有地だけどいいよ」と仰って下さいました。
ヨシということで、下見を終了して串本の町へ向かいます。
せっかく古座川町に来て、町内で完結しないというのは本意ではありませんが仕方ありません。
月の瀬温泉(ぼたん荘)の閉鎖は極めて残念です。
まあでも、サンゴの湯も普通に良かったです。料金は500円。
そして、万全の態勢で臨んだ一人宴会ですが、あまりの寒さのため、早々にお開きになったのでした。夜はめっちゃ寒カッター。
ダウンリバーリポート
Day3.蔵土・住吉神社 → 月野瀬リバーサイド
「TOUR de KUMANO 2024」に注意せよ
翌日、たぶん5時過ぎくらいに起床。更に水位が下がっています。
5時の月野瀬の水位は0.35。
7日のピークから1メートル下がっています。
今日乗るバスは、小川へ行く便よりだいぶ早い。
月野瀬通過は7:44です。
テントをそのままにしておく訳にも行かず片付けをはじめますが、テントやマットはいいとして、シュラフってなんであんなに嫌がらせみたいにキチキチなんですかね。
ちなみにこの日は、「第24回 TOUR de KUMANO 2024」なる自転車レースが古座川で行われる日でした。この事実を知ったのは前日の午後。
私の場合は、レースの始まる前にバスでの移動だったから問題なかったのですが、交通規制の時間や場所には注意が必要です。
バスに乗ると、先客が1組。自転車レースの見物客でした。
小川を下った時と違い宿泊装備がないので荷物は少ないのですがそれでもマイクロバスに乗り込むのは気が引けます。先客一組でヨカッタ。
8:11頃、運転手さんに声を掛けて予定の地点で下車。
入川道に昨日お話しした方がいらしたので声を掛けて通らせて頂きます。
この日は最高の天気。雲が一つもありません。
ウェアは、上:ラッシュガード + 化繊のTシャツ2枚。下:薄手のウェットの長ズボンの上に化繊の短パン。
ダウンリバー開始
スタートは8:41。
水温は14.9℃(8:35スタート地点)
それにしても天気が絶品。
水質はまあ、普通です。
もちろん綺麗ではあるけど、小川を知ってしまった以上、普通です。
限りない透明とかではありません。
感覚としては、多摩川の御岳-青梅間の水質より少し綺麗な感じ。
漕ぎ始めてしばらくは、両岸に山が近い。
なんというか、小川よりもいろいろ大きくて別の良さがあります。
40分ほど漕ぐと、洞尾橋。バスの運転手さんによると、ここをスタート地点にする人も多いらしい。
ちなみに洞尾橋は国道から外れていますが、バスはトンネルの手前で国道を逸れて、洞尾橋を渡ってその先の広場みたいなところにいったん行ってから、引き返して再び国道に戻ります。
洞尾橋から10分ほど漕ぐと一枚岩。
これは立派です。
一枚岩を過ぎると、山も低くなって、川幅というか両岸の平野部も含めた幅が広くなって来る感じです。
峰口橋下流の倒木
峰口橋の先に倒木の障害物。この日はその倒木の箇所以外は浅かったので突入したのですが、水位によっては危険でした。
更にしばらく行って、一雨橋と鶴川橋の間に鉄筋発見。既に右岸だったか左岸だったか記憶なし。
下るにつれて、川幅が広くなるとともに瀞場が多くなります。
景色的には山間部なのでもう少し流れが欲しい。瀞場とちょっとした瀬の繰り返し。
放っておいても下って行くというよりは、漕ぐ必要があるのです。漕ぐの苦手。
さらに、11時くらいから微妙に風が。。。向かい風はさらに苦手。
鶴川橋の先で休憩。
11:22頃 明神の潜水橋通過。
橋脚が鉄でできているし、なーんだと、通り過ぎたのですが振り返るとなんか橋桁がかなり薄いことに気づきました。
これはちょっと見て見ようかなと上陸。
なんか華奢な橋です。かなり古そう。そして幅が狭い。水面からの高さがたぶん2メートル以上あって、狭いので微妙に怖い。
自分的には自転車で通るの無理なレベル。
そして、橋の片方の先は草原の様な所に通じていて、なんか不思議な空間になっていました。
潜水橋を過ぎると、あと一息。10分も漕げば小川との出会いになります。
そして、その後はさらに流域が拡がって「海から吹く風様」の独壇場となります。
最後の3kmを頑張って、12:27月野瀬リバーサイドにゴール。
15.8km、3時間46分のダウンリバーとなりました。
それでこの日は殆ど休憩もせず、昼食も摂らずでした。
なんか、川原も結構開けていることが多くて、まあいいかなってなって、それに今日は泊まらずに出発しようと思っていたから、別に急いでいた訳ではないのですがつい心にゆとりがなくなってしまいました。
なんというか、最終日を楽しみつくせない損な性格なのです。
とはいえ、古座川いい川でありました。漕がれる方は、ぜひ一枚岩より上からのスタートをお勧めします。雰囲気違うので。
本川と小川(ホンカワとコガワ)
ところで、地元の人は古座川の事を本川(ホンカワ)と呼ぶようです。
2系統あるバス路線名も本川線と小川線。
月野瀬をべーキャンプにしている間、近くで工事をしていた方に親切に声を掛けてもらったりしていたのですが、最後に「小川がとても素晴らしかった」と言ったら、その方は小川にお住まいの方でなんか嬉しそうでした。「何にもないとこ」といいつつ「鮎も鰻も本川より小川で獲れるものの方がおいしいんだよ」と誇らしげでした。「ダムがないからね」と。
「また来てください」と仰っていただき、こちらも嬉しくなりました。
ということで、13時半過ぎ、埼玉への帰路についたのでした。真夜中や明け方に帰宅するのが嫌なので、静岡SAでたっぷり仮眠したのですが、静岡もまたえらい寒かった。
そして大事なことをお伝えします。
古座川も、まったく釣師を見かけませんでした。
小川にしても古座川にしても、たまたまなのか、それとも解禁日まではカヌー天国という事なのでしょうか?
参考サイトと大事な事
参考サイト
素人パックラフト奮闘記
紀伊半島の川レポが豊富。今回、どの川にするかの選定に大いに役立てさせていただきました。
SOKO KASHIKO
古座川と小川の素晴らしいレポ。凄く参考になりました。そして写真が綺麗すぎ。さらにソロなのに離れたところからご自身を撮った写真が多くて凄く凄い。
わんことカヌー
わんことカヌー 川下りレポート
2004年のレポートで少し古いですが、少ない文字数なのに的確な内容で水位も記載あり。
古座川町観光協会
古座川漁業協同組合
和歌山県内水面漁業協同組合
和歌山県内水面漁業協同組合 古座川漁場マップ
古座川漁場マップは古いのかも知れませんが入川道の記載がエグい。
気象庁 過去の気象データ検索
川の防災情報
全国Q地図
大事な事
1. 鮎の解禁日
2. TOUR de KUMANOの日程
3. バスは本数少ないけどめっちゃ優れもの(乗り降り自由)
4. なにより水位。そして短期間で大きく変動する事。
Data
■河川 :古座川
■コース:蔵土・住吉神社 → 月野瀬リバーサイド(古座川) ( 15.8km )
■用艇:NRS バンディット1
■メンバー:ソロ
■天気:晴れ
■釣師:0人!
■水位:たぶん普段より少し高いではなかろうか?
■水温:5/10 14.9℃(8:35スタート地点)
■気温:
西川( max:23.5℃ / min: 4.4℃ )
潮岬( max:20.7℃ / min:11.4℃ )
■スタート地点駐車場:-
■ゴ ー ル地点駐車場:月野瀬リバーサイド(無料)
■タクシー:-
■電車:-
■バス:月野瀬リバーサイド前 → 蔵土の住吉神社の辺り(100円)
■昼食:ゴールしてから
■服装:長袖のラッシュガード + 化繊のTシャツ2枚、薄手のウェットの長ズボン+化繊の短パン
7:44 月野瀬リバーサイド発(バス)
8:11 蔵土 住吉神社付近着
--:-- スタート地点着
8:41 ( 0:00 - 0.0Km) スタート(蔵土 住吉神社付近)
8:46 ( 0:05 - 0.3Km) 下蔵土橋
9:00 ( 0:19 - 1.4Km) 蔵土橋
9:22 ( 0:41 - 3.1Km) 洞尾橋
9:34 ( 0:53 - 4.0Km) 一枚岩
9:42 ( 1:01 - 4.4Km) 一枚岩橋(相瀬橋)
9:54 ( 1:13 - 5.3Km) 相瀬橋
10:07 ( 1:26 - 6.3Km) 鳴滝橋
10:14 ( 1:33 - 6.8Km) 峯口橋
10:35 ( 1:54 - 8.2Km) 一雨橋
10:49 ( 2:08 - 9.3Km) 鶴川橋
11:07 ( 2:26 - 10.6Km) 大柳橋
11:19 ( 2:38 - 11.5Km) 潤野橋
11:24 ( 2:43 - 12.0Km) 明神の潜水橋・散策
11:48 ( 3:07 - 12.8Km) 小川との出合い
12:03 ( 3:22 - 13.9Km) 高瀬橋
12:27 ( 3:46 - 15.8Km) ゴール・月野瀬リバーサイド
※距離はキョリ測にて測定しました。時間は写真のタイムスタンプなどから適当に調整。
修正履歴:
コ
メ
ン
ト
・IPアドレスの一部を表示します。
素敵な川旅記、楽しく読ませていただきました^^
行程中のつぶやきなども時々見ていたので、熊らしき足跡の際には僕も「和歌山・熊・生息」、などなど調べてしまいました笑
僕もまたいつか必ず再訪したい(できたら子供と!)とか考えていたので、熊についてはすでに今からめっちゃ悩んでいますー、、
そして「ぼたん荘」の閉館、、こちらもめっちゃ残念です。
こちらもノーチェックだったので、今回情報を得ることができてよかったです、、
古座川・小川、カヌーと釣り人との棲み分けがきっちりされていますよねー。5月でカヌーシーズン終了というのはちょっと残念ですが、それがあるからこそのこの環境なのかもですね。
今シーズンも、川の情報楽しみにしています!
246
linton
2024-05-28 22:35:31
.44
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lintonさん
コメントありがとうございます。小川サイコーですよね。お子さんと行かれるの凄く素敵です。
熊の件、実際に熊の足跡だったのかはいまだ分かりませんが、ノーマークでリスクや対策など知識ゼロだったので半信半疑で不安だけ募りましたー。
あと、小川は川そのものも素晴らしかったですが、私はかなり竿ビビりなので、釣り人がいないのが凄くリラックス出来ました。
今後ともよろしくお願いいたします。
247
246
やまかわ
2024-05-29 08:34:33
.92
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