惣岳(そうがく)渓谷デビュー

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2013・21th 多摩川 惣岳(そうがく)渓谷 道所橋 ⇒ 白丸湖((約8.9km)2013.11.02(Sat)  
晴れ時々曇り(小河内max 17.0℃、青梅max17.6℃) 水位:調布橋(参考) -2.43



   

惣岳(そうがく)渓谷。

小河内ダムの下から始まる荒々しい巨岩の渓谷です。


ダム下で水が綺麗でないからか、川原へのエントリーが大変だからか、ここを下ったレポートは、ほとんどありません。

世界的に有名な国際カヌー犬ラナの飼い主さんで、自らも日本を代表するダッキィストであるラナ父さんの2度の漕行記録があるのみです。

奥多摩湖の上流の丹波川が割りとメジャーなのと対象的です。


2010年に鳩ノ巣渓谷、2011年に丹波川ロアー、そして2012年に秋川と、多摩川水系のクリークを下ってきましたが、最後に残されたのが、惣岳(そうがく)渓谷です。

ぜひ、今年チャレンジしたい。

10月は御岳に国体見に行ったり、台風が2回来たり、そういうのもありまして、一回も漕がずじまい。

行くなら、11月初めのこの3連休しかほぼありません。

翌週は、土・日とも下の子の入試の説明会、さらに翌週の日曜にも入っています。

さらにその翌週となると11/23。もう、店じまいの季節です。

御岳紅葉ツアーならともかく、ハードなクリークを下るモチベーションが11月下旬に残っているかは、はなはだ怪しい。

それどころか、この時期でさえ、かなり怪しい。ちょっと気を抜くとダラダラ過ごしてしまいそうです。


この日も、一応、7時に起きはしました。

しかし、中々テンションが上がりません。思いをめぐらせると、だんだん面倒臭くなってきます。

歯を磨いたり、資源ごみ出したりしているうちに、なんとなく、とりあえず、今日はぶんにょりして、日曜か月曜に行こうかという気持ちになってきました。

しかし、今日行かないと、このまま、今年は行かないんではないかと、その可能性がかなり高いというのが自分でもわかります。。


8時前。

再度布団に戻って、タブレットでラナ父さんの2008年のレポートを再読します。

じゅわっと、テンションが上がってきました。

仕方がない。とりあえず、現地までは行ってみましょう。

最悪、下見に終わってもいいと、ようやく出かけることにしました。

車の中では、「レイダース失われたアーク」のカセットをかけます。

やっと、だんだんテンション上がってきました。


この日設定したコースは、道所橋から白丸湖。

まずは、白丸の駐車場に車を止めてJR白丸駅を目指します。




装備を背負い急な坂道を上って駅に着くと、5分前に電車が行ったところで、次の電車まで30分近くあります。

氷川から白丸までは何度も下ったことがありますから、ゴールは氷川に設定したほうがよかったかも知れません。

10:44奥多摩駅着。ここからはバスに乗ります。大きな荷物を持ってバスに乗るのは多少心苦しい。






10分あまり揺られて、桃ヶ沢の停留所でバスを降ります。

上の写真の左の道が「むかし道」です。





( 写真中央が道所橋 )



バス停からは、「むかし道」を歩いて道所橋を目指します。

既に、少しだけ紅葉が始まっていて、やわらかい秋の太陽の光を反射して、周囲は心地よい癒しの空間です。

しばらく歩くと道標があって、「11/5にこの近辺で熊が目撃されました。」って書いてあります。

「山に入るときは、必ず、鈴やラジオなど音の出るものを身に着けて入山してください。」

ちょっとタイム。鈴もラジオも持っていません。

ホイッスルはありますが、これ吹きながら歩くのは格好悪いし、スマホで音楽を鳴らすことは出来ますが、これからのことを考えると、電池は温存したい。

幸い、周囲に人はいません。歌を歌ってもいいんですが、物まねの練習をしながら歩くことにしました。

人が聞いたら、100%「この人おかしい」と思ったことでしょう。

時折、ハイカーとすれ違いますが、近づいたらやめるので大丈夫です。






11:31。 そうこうしているうちに、道所橋に着きました。

バス停からおよそ25分ほどです。

橋の袂に「この橋を渡る際、3人以上で渡らないで下さい。」の看板。

「3」のところはシールになっています。確か前に来たときは「5」だったような・・・。

何かあったのか? 超怖い。





( 道所橋より上流方向。写真中央あたりがスタート地点。)




( 道所橋より下流方向 )


橋の少し上流から川原におります。

民家の脇の小道を降りていきますが、最後に川原に降りるところがえらい大変です。

岩を飛び移るような箇所があって、艇の入ったリュックを放り投げて、身ひとつでなんとか降りました。

川原への経路は少し研究の余地がありそうです。






それはそうと、川の水はお世辞にもあまり綺麗ではありません。

小河内ダムから濁った水が吐き出されるんでしょう。

御岳のほうが余程きれいです。

水温は13℃弱。






12:16 道所橋の上のハイカーに手を振ってスタートです。






暫く行くと、大き目の石がごろごろしている瀬に着きます。

行って行けなくはなさそうですが、落ち込みの最後のところにとんがった石があって引っかかるとまずい。

まだ漕ぎ初めたばかりなので、大事をとってポーテージです。





上の写真は、ポーテージ後、下から見たところ。

まあ、無理しなくてよかったって感じです。

しかし、この時点で、既にわかっていたことですが、こんなのは序の口です。








しばらく行くとまた瀬があります。

このあたりの風景は、おおよそ、上の写真のようなな感じです。

この後も、慎重にスカウティングしつつ、漕いで行きます。






スタートして30分あまり漕いだところで、しだくら橋が見えてきました。

いよいよ、この先に、最初の難所である「惣岳の荒」が待っています。






しかし、その前に、ここもポーテージです。

足場が悪いので、ポーテージも一苦労です。








( この写真のみ、クリックすると大きくなります。 )

そして、13:03。

いよいよ「惣岳の荒」のセクションに突入します。

艇を降りると、岩によじ登って進むべき先を望みます。( 上の写真 )

まず、目の前は左右に分かれていて、右は狭すぎ、左はコース上にとんがった岩があって漕行不可です。

そして、その先にも、ため息の漏れそうな、難儀なコースが続いています。

艇を担いだり引き摺ったりして右岸沿いをポーテージします。






本流は濁っているんですが、右岸から沢が流れ込んでいて、そこは清く澄んだ水になっています。

30cmくらいのでっかい魚が2匹泳いでいました。( 黄色い円内 )

種類はわかりません。艇をひっぱってザブザブ入っていくと、どこかへ行ってしまいました。

こういう場所にいるんだから岩魚でしょうか? 





上の写真の右手のでっかい岩と、左手の岩の間をすり抜けて、まずこの写真のところに出ます。

さらに、艇の右手に写っているごつごつした所を担いで、下の写真の所に出ます。





この時点で、13:17。

「惣岳の荒」に入って、14分でまだ直線で30メートルくらいしか進んでいません。

この後、右岸コースは、ラナ父さんの動画にも出てきたT字路です。






とりあえず、左岸に行ってみたらいけそうなので、そのまま左岸コースを下ります。













その後も、ごつごつした光景が続きます。

























ここに限らずですが、全般にコースが狭くて、すばやいターンをしないといけない箇所がたくさんあります。

うっかり操作が遅れると、岩と岩の間に艇が引っかかって、ロックしてしまいます。

ロックすると水圧で艇がピクリともしません。

押したり引いたりして、なんとか離脱します。

そういうことが2・3回ありました。

なんといっても、高速ターンが重要です。なんとなく行ってはだめですね。



















14:03。いよいよ「白髭の大岩」に到着です。


スタートして1:47。既に相当お腹いっぱいです。

右岸に上陸してスカウティングしたあと、漕ぎ出したら、なんとなく大岩の向こう側(左岸コース)の方がよさそうだったもので、試しに行ってみたんですが、あえなく行き止まり。

引き返して、上の写真の大岩と白い岩の間を抜けて右コースへ復帰しました。






( 右手が白髭の大岩 )







大岩の先にも難所が続きます。

何度も岩に引っかかり、危うく沈しそうになりましたが、かろうじてクリアー。




なんとか無事に、白髭の大岩を抜けることが出来ました。

ここをクリアした後も、ごつごつした岩の区間が続きますが、もう、途方にくれる様なことはありません。






境橋を過ぎて暫く行ったところに立派な滝がありました。

後で地図を見てみましたが、特に名前は出ていません。















15:13。愛宕大橋(手前)と弁天橋。










結構立派な滝がいくつかありました。

たしか弁天橋と南氷川橋の間だったと思います。






15:24。ようやく、日原川との出合いが見えてきました。

前方に、登計橋、その先の赤いのが昭和橋。昭和橋の手前で、日原川が合流します。

スタートして3時間あまり経過しています。

もう、クタクタ、ヘロヘロです。

やはり氷川をゴールにしとくんだった・・・・・。






日原川との出合いでは、清純で豊富な水が一気に流れ込んできて、濁った多摩川の水がみるみる浄化されていきます。






氷川キャンプ場です。(振り返って撮ってます。キャンプ場は右岸。)

奥多摩カップの時しか、行ったことないんですが、11月の三連休だと盛況なんですね。






せっかく綺麗になった水も、海沢橋の先の放水口を過ぎると再び濁ってきます。

ダムは好きではありませんが、利水・治水のために必要なのは分かります。

やはりここは、ダムから綺麗な水を流す研究を是非して欲しい。


そして、15:50、やっとのことでゴールです。

スタートして3時間34分。

疲労感と達成感に包まれて、暫く湖に浮かんでいましたが、国道までの坂道が疲れた私を待っていたのでありました。

最後の力を振り絞って、艇を担ぎ上げ、もうフラフラで、白丸の駐車場にたどり着きました。



艇を畳んだ後、今日はもえぎの湯にでも寄って帰ろうと、逆方向に車を走らせたんですが、果たして、もえぎの湯は、駐車場入場待ちの渋滞が出来ていました。

あえなく断念して、帰路に着きます。家のおふろが一番ですね。


これで、長年の目標をようやく達成しました。

それにしても、今までで一番キツイ川くだりだったかもしれません。


さて、再びここを下ることがあるかどうか・・・。水が綺麗だといいんですが。


<<参考サイト>>

  わんことカヌー ~2008年度川下りレポート~



==data=====

■河川 : 多摩川 惣岳(そうがく)渓谷
■コース: 道所橋 ~ 白丸湖
■メンバー: ソロ
■用艇: NRSバンディットⅠ
■天気: 晴れ時々曇り
■釣師: たしか、いなかったように思います。( 記憶あやふや )

■水位: 調布橋水位は高めですが、この区間の水位がどうかは評価できません。
  水分水質データベースによると調布橋水位は、12:00が -2.43。
  但し、2007年の台風9号以降、以前よりも水位が低めに出ている。30cmくらいプラスすると前の感覚だろうか。。。
■水質: 悪い。小河内ダムから日原川合流までは悪いです。
■水温: 11:54の道所橋の川原が、13℃弱。
■気温: 気象庁によると12:00の青梅の気温は16.9℃。最高気温:17.6℃。

■スタート地点駐車場: -
■ゴ ー ル地点駐車場: 白丸駐車場 (無料)

■タクシー: 利用なし
■電車: 白丸 - 奥多摩 ( 130円 )
■バス: 奥多摩駅 - 桃ヶ沢 ( 280円 )
■昼食: なし。
■服装: フルドライ。
■旅程。2013.11.02
  08:36   自宅発。
  09:51   白丸駐車場着。
  10:15   白丸駅着。
  10:41   白丸駅発。
  10:44   奥多摩駅着。
  10:55   奥多摩駅発。
  11:07   バス停(桃ヶ沢)下車。
  11:31   道所橋着。
  11:42頃  スタート地点の川原着。
   12:16 ( 0:00 -  0.0Km) スタート
   12:53 ( 0:37 - 1.2km) しだくら橋
   13:03 ( 0:47 - -.-km) 惣岳の荒
   14:03 ( 1:47 - -.-km) 白髭岩
   14:29 ( 2:13 - 2.7km) 境橋
   14:47 ( 2:31 - 3.6km) 桧村橋
   14:55 ( 2:39 - 4.2km) 琴浦橋
   15:04 ( 2:48 - 4.9km) 笹平橋
   15:13 ( 2:57 - 5.2.km) 愛宕大橋
   15:14 ( 2:58 - 5.3km) 弁天橋
   15:21 ( 3:05 - 5.9.km) 南氷川橋
   15:24 ( 3:08 - 6.1km) 登計橋
   15:26 ( 3:10 - 6.2km) 日原川出合い
   15:27 ( 3:11 - 6.3km) 昭和橋
   --:-- ( -:-- - 7.8km) 海沢橋
   15:48 ( 3:32 - 8.7km) 数馬峡橋
   15:50 ( 3:34 - 8.9km) ゴール(白丸湖)
  --:--   白丸駐車場着。
  16:28   白丸駐車場発。
  18:15   帰宅。

※距離はMapionの「キョリ測」で測定しました。時間はデジカメのタイムスタンプより感覚で多少調整したものです。


(2013.12.15 up)

修正履歴:

   


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