今シーズン、多摩川・惣岳渓谷と、秋川を、いやせめて、どちらか片方は漕いでみたいと思っておりました。 9月の後半から、両方とも、下見には行くものの、仕事が忙しくて週末疲れているとか、水位が低いとか、いまひとつテンションがあがりません。 現地調査、ネットでのリサーチ、ラナ父さんへのQAなどを通じて、惣岳渓谷の方が難易度が高いということがおおよそ分かりました。 最近、ずっと忙しくて、だいぶくたびれてますので、ここは1つ、楽な方にしておきたい。 しかし、秋川の水位は低いままでした。 そして、この週の半ばに少しだけ雨が降りました。 せっかく上がった水位も、週末に向けてどんどん下がっていきましたが、土曜日の朝は少しだけ名残がありました。 快適ではないにしても、ここで行っておかないと、来年へ繰り越しになるやも知れません。 久しぶりに土日ともに休みになったこともあって、天気もいいし、出かける事にしました。 いつものように、ぐだぐだした朝を過ごしたため、家を出たのは、9時近くになっていました。 時間はお金で買います。圏央道に2区間乗って400円也。 9時半は既に五日市についていました。案外、秋川は御岳より近いかも。 五日市につくと、まずはゴール地点を探します。車が川の近くに停められて、川原に降りられる場所でないといけません。 さらに、バスでスタート地点に移動するとなると、バス通りにも近い必要があります。 今回、スタートは橘橋( 桧原村役場の傍です )にしようというのは、直ぐに決まりましたが、問題はゴールです。 理想は五日市駅まで歩いていけるところですが、水位が低いのであまり後半部分を長くしたくない。 駅の近くには、秋川橋河川公園BBQランドという有料の川原があって、ここなら駅まで歩けます。車一台1000円。 高速代はケチりませんが、駐車場代は微妙に気になります。施設は利用せず止めるだけですから。 適当に車を走らせていたら、小和田グラウンドというあきる野市のグラウンドを見つけました。 川沿いで、無料です。( 利用料を払って、申し込んで使う施設なので、厳密に無料といえるかわかりませんが・・・。) ( 写真:小和田グラウンドより上流方向 ) ただバス通りまではだいぶあるのでここだと、タクシーでの回送になってしまいます。 (といっても、桧原街道まで1キロですので、スタート地点に艇をおいて手ぶら回送にすれば歩ける距離ですが。) その後は遡上して、川の様子の確認も兼ねて十里木ランドへ行ってみます。 ここも無料の駐車場があって、バス停までそんなに遠くはありません。 十里木ランドそのものは、車一台1000円と、人間がひとり500円の有料施設ですが、隣接して東京都の無料の駐車場があります。 川へ無料でおりられるところがあるかは確認していません。なにせ、秋川沿いは1台1000円の有料川原だらけです。 最悪500円払って、ここをゴールにしてもいいけど、ここより下流にも瀬があるようなので、そこも下っておきたい。 うろうろしている内にだいぶ時間が遅くなって来ました。ボチボチ10時半です。 水位が低いので、小和田グラウンドより上流でゴールしたいところですが、探索の時間はもうありません。 本数の少ないバスを利用するという選択肢もだいぶ厳しくなってきました。 本当は、バスの方が旅情があっていいんですが、バス乗り場まで行って、バスを待つことを考えると、どうしても時間効率が悪い。 それに行楽地のバスは混んでいることもあるし、大きな荷物を抱えたリスクもあります。 ここでも、時間をお金で買うことにいたしましょう。 スマホの地図で確認すると、小和田グラウンドから橘橋は、釜の淵-御岳の距離とおおよそ同じです。 そうすると、大体、3000円~3500円でしょう。 バスの場合は、駅かバス停の近くをゴールにする必要があります。そうなると、駐車料金1日1000円+バス代410円。タクシーとの差額はせいぜい2000円です。 それに今回は水位が低いので後半の緩やかな部分の距離は短い方がいい。 ということで小和田グランドをゴールに決めてタクシーを呼びます。 ( 写真 左:橘橋 右:橘橋から上流方向 ) 結局、タクシー代は3,140円でした。11:15に桧原村役場着。バスだとこうは行きません。 暫くうろうろしてから、近所のお婆ちゃんに川へ下りる道を教えてもらいました。 橘橋の手前の袂の上流側に、川へ下りる階段があります。 ( 写真:橘橋下の川原にて ) とにかく水が綺麗です。 近くに商店や民家があるとは思えないくらいです。 出艇は12:11。 橋の上から「がんばって~」の声が聞こえます。手を振ってゴルジュの中をスタート。 素晴らしい癒しの空間が広がっていました。 癒しの細かい粒子が体に浸透していくようです。 「はぁぁぁぁ」とか「ひひゃぁぁぁぁ」とか、温泉につかっているようなため息が出ます。 いやあ来てよかった! 写真は、上段: 上日向橋、下日向橋。 下段: 30分足らず漕いだところで中山の滝に到着。 左岸に上陸してスカウティングします。 大きな岩が立ちはだかって、滝の様子は分かりません。 もう少し先まで行けばいいんでしょうが、安全第一、おっかないので手前で上陸です。 でっかい岩を乗り越えて向こう側へ出ます。 まずは二の滝から下見します。 流れの真ん中に岩があって、どちら側も行けそうですが、左岸コースに枝がひっかかっていたので除去。 一の滝です。 落差は1メートルくらいでしょうか? ただ、左岸側からはこの写真のように、滝の全容が見えません。 幸い水位が低かったので対岸に渡ります。 はたして、滝の手前の狭い水路を巨大な倒木が塞いでいました。 ここもザブザブと川に入って行ってみます。 完全に水路がふさがれていますが、巨木とは別に小さな枝が引っかかっていることが分かりました。 この枝をうんこらしょと取り除いて、艇の幅を確保出来ました。そのまま流れの中を対岸に渡って、艇に戻ります。 よしっと、気合いを入れて艇を出す。 ドキドキしましたが無事に一の滝をクリア。そのまま二の滝もクリアしました。 さらに下って三の滝の手前で上陸してスカウティング。 右岸コースを取りましたが、ここでスタックしました。 水圧で艇の形が変わって来たので、脱出しようと、サイストラップから片方膝を抜いたところでリリースされました。 ここまで、かろうじてノー沈です。 暫くは穏やかな流れが続きます。 ( 左:西青木平橋 右:青木平橋 ) ( 左:乙津橋 右:新乙津橋 ) 新乙津橋とその先の新矢柄橋を続けて潜ると、その先は堰堤になっています。 左岸側の魚道の縁をポーテージ。 堰堤は2段になっています。二段目は落差もないし、下ってみようと思ったんですが、数メートル間隔で、ところどころ二段目の下に鉄筋が突き出して下りました。 堰堤のあとは、十里木ランドの狭窄部です。 ここは結構、難易度高そうです。 左岸の岩に登って入念にコース取りを検討します。橋の上にギャラリーがいますので沈は避けたい。 右岸の岩からも観察してコースを確定しました。艇を右岸に引いていって、右から突入です。 スタート前に振り返ると、待ちきれなかったのか、多くのギャラリーは去り、お母さんと小さな子供だけになっておりました。 そして、ここも無事にクリアーです。 これで山場は越えた。そう思いました。しかし、ここから秋川の洗礼を受けることになります。 十里木ランドをぬけると、落合橋です。 橋を潜って暫くしたところの、なんて事はない瀬で、岩に乗り上げて初沈。 中山の滝、十里木ランドの狭窄部を無事にクリアーして、後は大したことないだろうと、気が緩んでいた事は否めません。 しかし、この沈はその後に続く3沈のほんの序章にしか過ぎませんでした。 後半最大の山場、山水の瀬に到着です。 右岸から偵察しますと、何気にかなり難しそうです。 まず岩のゴツゴツした浅瀬があってその先に大きな岩が水路を狭めています。 なんといっても水位が低いので、隠れ岩にスタックの可能性大です。 一瞬だけポーテージも考えましたが、底を擦りつつ抜けられるだろうと判断しました。 まずは、手前のごつごつ区間のラストで岩に引っかかって沈。 そのまま、狭窄部へと流されていきますが、かろうじて手前でエディに入ります。 かなりややこしくなって来ましたが、今更ポーテージも難しい。 態勢を立て直してて狭窄部に突入します。 突入の1秒か、2秒前に気づいたんですが、大岩は底の部分が浮いている形状になっていて、水が勢いよく岩の下へ流れていきます。 事前の下見でなんとなくは気づいていましたが、至近距離で見ると結構やばい。 (写真は下流側から瀬を望む) 左へ流されないように注意して突入。 岩に吸い込まれることはありませんでしたが、大岩の直下の隠れ岩に引っかかって、この日3回目の沈。 ここからあとは、割りと、苦行難行の区間となります。水位があれば快適でしょうが、終盤に行くにしたがって、底すり、スタック、ライニングダウンの繰返し。 緊張の糸も完全にきれてどうってことない箇所で、岩に引っかかって沈。 ( 左:星竹橋 右:西秋川橋 ) ( 左:沢戸橋 右:佳月橋 ) 最後の小和田橋を潜る頃にはもうヘロヘロです。 遠くに小和田グランドが見えます。 小和田グランドにたどり着くには堰堤を超える必要がありますが、もはやその元気はありません。 それどころか、もうライニングダウンの元気もありません。 幸い右岸に上陸可能な箇所を見つけて艇を降ります。 せめて艇を担いでゴールしようと思いましたが、数十メートル行って挫折。 ゴールまで200メートルくらいを残し、力尽きたのでありました。 さて、4沈でありますが、十里木ランドを突破して気が緩んだこと。 一度沈をして、緊張の糸が切れたこと。 それと、サイストラップを緩めに締めたためリカバリーが弱かったこと。 4回目については疲れて来たこと。 などがあげられます。 背中は打つは、よくわからない内に腰に青あざが出来ているし、なかなかワイルドな川くだりでありました。 それはそれとして、今回の水位に限ってですが、前半は大変な癒しの川、中盤はスリリングなアドレナリンの川、終盤は苦行の川でありました。 また、難易度的には去年下った丹波川ロアーよりも簡単です。 ラナ父さんが言われるように、丹波川ロアー200、御岳を100とすると、レベル的には150といったところでしょうか。 水位が高いときにまた是非行ってみたいと思います。 ==data===== ■河川 :秋川 ■コース:橘橋 ~ 小和田橋の下流 10.3km ( 10.3km GPSロガーにより測定 ) ■メンバー:ソロ ■用艇:NRSバンディットⅠ ■天気:晴れ ■釣師:数人。 ■水位:低かった。 秋留橋水位は、11:00~17:00まで、0.61。 ※秋留橋水位は、水分水質データベースで公開されていないので、過去分は閲覧できません。 水分水質データベースによると東秋留橋水位は、12:00が -0.81。 ■水質:すごくきれい。 ■水温:橘橋12:05で、13℃ ■気温:気象庁によると12:00の青梅の気温は20.0℃。最高気温:20.6℃。 ■スタート地点駐車場:-- ■ゴ ー ル地点駐車場:小和田グラウンド(無料?)。 ■タクシー:\3,140。 ■電車:利用なし ■昼食:抜いた。 ■服装:フルドライ。 ■旅程。2012.10.20 08:50頃 出発。 09:30頃 五日市駅付近到達。 (カッコ内は経過時間) 10:52頃 小和田グラウンドよりタクシーコール。 11:15頃 桧原村役場着。 12:11 (0:00 - 0.0km) 橘橋 スタート 12:18 (0:07 - 0.6Km) 上日向橋 12:23 (0:12 - 0.9Km) 下日向橋 12:32 (0:21 - 1.6Km) 和田橋 12:38 (0:27 - 2.0Km) 中山の滝・着 13:02 (0:51 - 2.0Km) 中山の滝・発 13:34 (1:23 - 3.4Km) 西青木平橋 13:38 (1:27 - 3.7Km) 青木平橋 13:45 (1:34 - 4.5Km) 乙津橋 13:46 (1:35 - 4.6Km) 新乙津橋 13:48 (1:37 - 4.8Km) 新矢柄橋 *** 堰堤 *** 14:04 (1:53 - 5.5Km) 石舟橋・十里木ランド狭窄部・着 14:11 (2:00 - 5.5Km) 石舟橋・十里木ランド狭窄部・発 14:16 (2:05 - 5.9Km) 落合橋 14:31 (2:20 - 6.3Km) 赤い小橋 14:48 (2:37 - 7.5Km) 星竹橋 15:03 (2:52 - 8.5Km) 西秋川橋 15:06 (2:55 - 8.8Km) 沢戸橋 15:19 (3:07 - 9.6Km) 佳月橋 15:25 (3:14 - 10.2Km) 小和田橋 15:28 (3:18 - 10.3Km) 小和田橋の先ゴール。 16時過ぎ 小和田グラウンド発。 17時前 帰宅。 ※時間と距離はGPSロガーにて測定。スカウティング部分は適当にカット。 (2012.10.30 up) 修正履歴: 2013.11.03 10枚目の写真が落合橋になっていたのを、和田橋に訂正。 2021.10.25 [2021.4.5]にhttpsに変更したのですが、youtubeのリンクがhttpのままになっていました。orz. 2023.07.17 いつのまにか文字化けしていたの修正した。 |