行って来ました。『クナシリ』
↑:公式サイトからの引用画像
ドキュメンタリー映画を劇場で観るのは人生初かも知れません。
前から国後島には興味があったんです。
映画は74分。クナシリの風景の中、現地に暮らすあまり豊かではない人々への淡々と続くインタビュー。
何人かは、日本人が強制退去になった時に子供だった人たち。
インタビューと言っても、割と独白みたいな感じで聞き手の声は殆ど入りません。
現在の生活や政治への不満であったり、戦後間もなくの頃の日本人と過ごしたひと時の記憶であったり、そういう人々の語りが余白たっぷりに続きます。
クナシリの風景は、
・だいたいは曇り空。
・傷んだ舗装。
・木製の電柱にたるんだ電線。
・錆の出た旧式の設備。
・古い家。
・荒れた感じの原っぱ。
そういう荒れて寂れた旧ソ連的雰囲気が風景の中に漂っています。
風景も語りも余白が多いので、何度かほんの一瞬気を失いましたが、それでもかなり濃い余白なので、じわじわ来ます。
時おり日本の寺や墓地の跡が映し出されるのですが、その時を除くと、何十年か前のどこか遠くの場所の様に錯覚して、北海道から僅か二十数キロの海を隔てたところにある現在進行形の風景だという事をついつい忘れてしまいます。
まさに時空を超えたところなのかも知れません。
映画館は、渋谷の イメージシアター・フォーラム
なんか小劇場の様な佇まいの映画館でした。
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