先週の日曜日、人生で初めて浦和に行ってまいりました。埼玉県民になって30年余りになるのに、ピュアな冠のない浦和駅には下りたことがなかったのです。
目指すは「うらわ美術館」。
目的は「ブラチスラバ世界絵本原画展」です。
もともと絵本が好きな訳ではなかったのですが、去年、ボローニャ展を観に行ってから魅せられてしまいました。
どうして気付いたかはよく覚えていません。SNSで流れてきたような気もするし。。。
面白そうだなと思いつつどうしようか迷っていたら、板橋区立美術館の今年のボローニャ展が一週間前に終わってしまっていることを発見してしまいました。
なんと。ショック。ガーン。
板橋区立美術館のtwitterアカウントはフォローしていたのですが、フォローしているだけだと、むしろ見落とす確率の方が高いと気付きました。
冬に群馬に来る様なのでそちらに行くしかありません。
そういう余儀なき事情もありまして、これも何かの縁だからブラスチラバに行っておこうと。
それに、ブラスチラバってなんか響きが素敵ですよね。
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「ブラチスラバ世界絵本原画展」というのはなにやら有名らしいです。
「・・・ブラチスラバで2年ごとに開催される、世界最大規模の絵本原画コンクール・・」だそうです。
入り口で料金620円を払って中に入ると、まずチェコの作品がいくつかあって、その後がスロバキアの作品、そしてコンクールで賞をとった作品が続きます。
日本から出品された作品も何点かありました。
お客さんはそれなりに入っていましたが密が気になる様な距離感ではありません。スーパーより空いています。
小さい女の子を連れた若いお母さんが作品に見入っていて、女の子は全く関心がなさそうで、お母さんは立ち止まってじっくり見たいのに女の子に引っ張られてじっくり見えないという何とも微笑ましい景色が素敵でした。親子はあっという間にいなくなってしまいました。
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それでは漸くここから感想です。
チェコとスロバキアの作品ですが、なんとなく、東欧っぽいうっすらとした寂寞感と、ほんの微かな旧社会主義陣営的な雰囲気、それから、1960年代のポップアート的な空気感が少しありました。
どれもそれなりによくて、時々、そこそこいいなと思うものもありました。
その後の入賞した作品とか、日本人の作品になって来ると、そういった微かな雰囲気の半分はどこかへ行ってしまいました。
それでですね、どれもいいんですが、去年観た「ボローニャ展」と比べるとなんだか感動量が少ない。
なんでだろうとずっと考えておりました。
その答えはそれから何日かは分からなかったのですが、今日になってやっと分かりました。
なんか、ブラスチラバ展は成熟してる感があるんです。一方ボローニャ展は若々しい。
初めは、去年観たボローニャ展の方が、全般に作品の彩度が高いという事かなと思いました。
そのせいもあるでしょう。
でもはたと気づいたんです。
もしかして、ブラスチラバ展は大人の作品が並んでいて、ボローニャは若い人の作品なのではなかろうかと。
慌ててボローニャ展をググると、「・・世界中の新人イラストレーターたちの登竜門としても知られています・・」などと書いてあるではないですか!
ああ、なるほどそういう事だったのか。
きちんと裏は取っていないですが、なんとなく確信に至りました。
先月、武蔵野美術大学の卒業修了制作優秀作品展に行ってなにやら凄く感動して、もしかして自分は成長過程の前半にいる若い人の作品が好きなのではなかろうかと薄々思い始めていたのです。
だとすると、高校演劇が好きなのもつじつまが合う。
ボローニャ展もそういう事だったのかと、妙に晴れやかな気分になったのでした。
それはそうと、ブラスチラバ展もとてもいいですし、財布にも優しいお値段なのでぜひ行ってみて下さい。8/29までです。
それで私が一番印象に残っているのは、日本人のさかたきよこさんという方の、サイレントアニメーションの作品でした。
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さて、浦和の事にも触れておかなければなりません。
今回は、西口だけ歩いたのですが、なんという「溢れる田舎町感」なんでしょう!
「地方の県庁所在地的な感じ」が沁みだしています。
よくよく考えたら、浦和は「地方の県庁所在地」とも言えますが・・・。
コンパクトで、人の数もちょうどよくて、自転車に乗ってる地元の方の割合もちょうどいい。
時間もゆっくり流れる感じで、実に味のある昭和な本屋さんがあったり、街角で昼間から飲める焼鳥屋さんがあったり。
電車に乗って来ているだろう人たちも、そんなに遠くからは来ていない的な余裕があるというか。
いやー、浦和、機会があれば軽く飲んでみたいと思わずにはいられない所でありました。
ここまで読んでくださる方がいらっしゃるかどうかわかりませんが、長文にお付き合い下さりありがとうございました。
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