2019年秋季 高校演劇埼玉比企地区大会

高校演劇と演劇など

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先週の金土日の3日間で、西部B地区の13校をすべて観させていただいて、達成感マックスで、「全校観たのは、審査員以外で自分だけではないか?!」などと、ひそかに優越感に浸ってもいたのですが、県大会への選考は、西部B地区の13校と比企地区の5校の計18校の中から2校推薦です。

全校観たなどと悦に入っていて、蓋を開けてみたら比企から2校などとなると、努力が水の泡になってしまいます。

という事で、Cブロックを完全制覇すべく、東松山まで行って参りました。

入間市民の分際でこんなことを申し上げるのは失礼ですが、東松山は田舎ですね。

風景も田舎ですし、大会の進行もどことなく牧歌的です。

たぶん、撮影NGではなくて、受付で断って下さいとか、上演中は「なるべく」出入りしないで下さいとか、ゆるーい雰囲気がそう感じさせているのかも知れません。

開会式の中で、5校の演目の紹介タイムがあるのも新鮮でした。

劇場は、レトロで立派ですが、非常灯は消えませんし、でっかい時計のバックライトも消えません。

でも、昭和を感じさせるいい劇場だと思います。

本日は5列目もしくは6列目で拝見しました。はっきりではないですが、表情も見えます。

それと、パンフレットは立派です。

ちゃんと広告がついていて、こういう広告も、生徒が取りに行っているのだとしたら、まさに『総合芸術』だと思います。

それで、本日拝見したのは5校。すべて既成の様です。
講評は聴かずに帰りました。

小川高校 「繭の中」伊三野友章・中村 恵 作 小川高校演劇部潤色

滑川総合高校 「逆光少女」 北野 茨 作 滑川総合高校演劇部潤色

鳩山高校 「シスター・シスター・シスター」 田中みゆき 作 鳩山高校演劇部潤色

東京農大第三高校 「天国の東側」 鹿目由紀 作 とうきょう りゅう 潤色

松山女子高校 「Another Life が座る場所」 日下部英司・手塚万桜・藤澤明穂 作 松山女子高校演劇部潤色

では参ります。

小川高校 「繭の中」伊三野友章・中村 恵 作 小川高校演劇部潤色

これは、凄い良かった。
感動しました。東日本大震災の時に逃げなかったカズオ。そのことを取材する記者。
取材される母、妹、友人、いじめっ子。
すべてをひとりの役者が演じます。
最初から最後まで一人で通して素晴らしかった。

パンフを見たら、部員は2年1年1名ずつ。よくがんばりました。

台本もいいのでしょうけど、役者がとてもよかった。

上演後に中庭で小川高校の方々が円になっていて、これは「幕が上がる」のシーンと同じだと感心しました。

少しだけ瑣末なけちをつけますと、

繭の造作がちょっといまいちだった。特に、開け閉めすると「シャー」っていうカーテンの音がするのが気になった。

投影されている文字のフォントが「HG丸ゴシック」みたいなのが嫌だった。

あと、記者の性別がよくわからなかった。

予定時間1時間なのに、45分で終了したのは、なにか飛ばしたのか、早口だったのか、なぞです。

それにしても、本当に素晴らしかった。

もちろん舞台も素晴らしかったけど、部員2名でも、素晴らしい舞台が出来るんだということを伝えていただいたと思います。

滑川総合高校 「逆光少女」 北野 茨 作 滑川総合高校演劇部潤色

校内で発生した障害事件を審議する高校生陪審員の話。
『12人の怒れる男』みたいな感じのお話です。
はじめは殺人未遂とまで言っていた陪審員たちが、やがて、事故に変わって行き・・・。

面白かったです。

人間関係もよく表現されていたと思います。

ちょっと気になったのは、それぞれの陪審員たちの背景の掘り下げが説明的というか、情報としては入ってくるのですが、十分染み込んで来なかった。
あと、台詞の多いから無理もないですが、議長が時々ちょっと読んでる感が。

それから、テーブルが 横に並んで客席向いてるのも気になったというのと、教室の廊下側のセットが立派なんだけどちょっとリアルでなかった様に思いました。

でも、面白く拝見しました。

鳩山高校 「シスター・シスター・シスター」 田中みゆき 作 鳩山高校演劇部潤色

妹が自殺したいといって始まる姉との会話劇。

セットも何もないか、或いは椅子だけ。

1年生部員が2名というなかで、よく頑張ったと思います。

ちょっと、難しいお話を選んでしまったような気がします。

それと一番気になったのは妹の衣装。なぜあのような衣装だったのか?????

GパンにTシャツだと打駄目なのか??

来年楽しみにしています。

東京農大第三高校 「天国の東側」 鹿目由紀 作 とうきょう りゅう 潤色

天国の東側に集められた8人の死んだ人たち。死んだ人たちが西側と競っていい集団を作ることが出来れば生き返ることが出来る。
どんでん返しもあって伏線回収もきちんとあって、面白いお話でしたが既成なので台本については置いておきます。

面白かったです。よく出来た本だし、芝居もよく出来ていたと思います。

完成度的には5校の中で一番かと。

ただ、農大三高は期待値が違いますからねえ。

どうしても、もしイタとかロボむつがよぎってしまいます。

オペレーションの凄さも今回は感じなかった。

でも、面白いお話を、きちんと面白く演じていてさすが農三です。

松山女子高校 「Another Life が座る場所」 日下部英司・手塚万桜・藤澤明穂 作 松山女子高校演劇部潤色

イラク戦争から帰還したアメリカ兵とその家族のお話です。

「NHKスペシャル」みたいというか、そのまんまというか、ドキュメンタリーの様でした。

気になったのは、やたら場面転換が多い。

そしてその度に、大きなパネルを動かし、また、そんなに真っ暗でもない中で、舞台上で着替えたりするのが気になりました。

もう少し、場面転換の納得性が欲しかったのと、ドキュメンタリの先にある人間の掘り下げが欲しかったと思います。

あと、お父さんの発声が、状況にしてはテンション高すぎた様に思いました。

そして、一番は、こういうテーマを選ばれたのが、なにより偉いと思いました。

という事で、本日も楽しませていただきました。

拝見した5校の中で順番を付けます。

1.小川高校

2.農大三高

BestCast
小川高校 いやもう素晴らしかった。

いやー充実した一日でした。

ちなみにランチは「かつ敏」で頂きました。

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