■所沢北高校
さて、土曜の2番手は所沢北高校です。
本当は西武学園文理高校が2番手だったのですが、都合により上演中止。
残念。
所沢北高校、今回は、夏目漱石の「こころ」を、現代の高校の同窓生たちに投影した生徒さん創作の作品です。
「こころ」を選ぶなんて嬉しいですねえ。私、漱石好きなんです。
それで、中々の力作ではあるのですが、ただ、3人も死ぬには、設定が現代ですから、背景として不足ではないかと。
「こころ」を読んだことのある人はいいけれど、そうでない人にはずいぶん乱暴な展開に思えたのではないかと感じました。
「精神的に向上心のない者はばかだ」のキメ台詞も、ちょっと唐突感があったりしまして。
「~トコキタ劇版こころ~」ではあるけれど、タイトルは「ひまわり」。
原作との折り合いをどうつけるかというのも難しいところです。
お話としては、「わたし」は登場しません。一方で、原作には登場しない「奥野さん」という女性が登場します。
この奥野さんがとても重要な役回りです。奥野さんをもっと描いてもよかったのではと思います。
難しい作品を選んだなあというのが率直な感想です。
そんな感じで突っ込みどころは盛りだくさんですが、観終わって感想を書いている内に、なんか結構いい感じの少し手前のところまで行っていたというか、もう少しでかなり凄いところまで行っていたのではないかと思えて来ました。ここまで書けた作者なら、あと2ヶ月悶々とすれば、凄くなったかも。
一方、キャストですが、偉大な先輩二人が引退して、どうなるかと思ったのですが、後輩がしっかりと後を継いでいたし、一年生も加わって、なんかいいですねえ。
奥野さん役の一年生がかなり目を引きました。
実は、この作品は、文化祭の初日の初回公演でも観ていたのですが、その時はかなり時間オーバーで、冗長的なシーンもかなりあったのですが、だいぶブラッシュアップされていました。最後は時間内に終わるのかハラハラしましたけど。
あと、個人的な疑問と細かい指摘・・・
・奥野さんのキャラと六角さんのキャラがあまりに対照的に描かれているのが印象に残りました。
そのあたりの作者の意図はどうだったのか知りたい。
・それと、奥野さんと六角さんのくどいほどの喫茶店のシーン。あれもどういう意図だったんだろう。
・ラストのほうで、六角さんの結婚式っぽいシーンがありますが、流石に衣装替えたほうがいい。
とにかく、気になって、次が楽しみに思える舞台でした。クリスマス公演、楽しみにしています。
明日は、「入間向陽高校」をお送りします。( たぶん )
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