今シーズンの二回目も多摩川だ。 今回は、未漕区間の河辺-羽村を含む全長17.7kmのロングコース。 毎年、一回は初めての川を下りたいと思いつつ、全然そんな行動力はない訳で、 ならばせめて、毎年下ったことのない区間を一回は下ろうと思っているが、 今年は2回目にして目標を達成した。(なんと小さな目標だろう・・・) さて、この日の前日、4/29は今年最後の「やまめ、にじます放流日」になっていた。 放流日の翌日を漕ぐのは普通ならぞっとしないが、なんといっても、この日は平日である。 平日に勝るものはない。有給休暇ばんざーい。 しかし、この読みはまったくの誤りだと後で気づく、いや、思い知らされることになる・・・。 同行はメグさん。9時半に羽村堰駐車場に待ち合わせ。 この日の水位は11時の調布橋水位が-2.55、結構低い。 天気は晴れ、気温もそこそこ高く、青梅の気温は10時で19.4℃。最高23.6℃。 ![]() 1月に下見したときは「工事のため3月上旬まで閉鎖」 となっていたが、この日はオープンしていた。 警備のおじさんがいて、¥500円を払う。 後からもう一台来るけど、着替えたら引き返すというと、 一台分の料金にしてくれた。 駐車場は2つの区画に分かれていて、 写真のゲートから先は、いつも開いている訳ではなく、 休みの日だけ開けている様な話であった。 17時で閉鎖される様である。 手前のエリアは、三分の一程の広さで、時間制限がない。 ![]() 写真の右の方に写っているのが堰の本体。 航空写真をみるとわかるが、堰の下は、 全体として不思議な形状をしている。 ここで着替えをする。 普通のトイレはあるが、釜の淵の様なきれいな車椅子用の部屋はない。 この日は秘密兵器の自作「着替マント」を利用した。 10時前に羽村を出発、御岳に向かう。 ![]() 10時40分過ぎに到着。 普段に比べて圧倒的に車が少ない。さすが平日である。 ![]() 「えっ?」 メグさんと話し合って、 「昨日貼ったのをとり忘れたんだろう」 という事に落ち着いた。 ちなみに、この看板、漁協のものではない。 ホワイトウォーター・スラローム・ネットワーク(WSN) なる団体が問い合わせ先になっていて、 所在は、「みたけカヌー教室内」となっていた。 なるほど、なんとなくトーンが柔らかい。 ![]() ヘリオス380に乗るメグさん。 前回のDRでセビラーのフロアからエア漏れが発生し、 修理に出されたとのことであった。 天気もよく、釣師もおらず、カヌーもいない。 やはり平日は贅沢だ。 ![]() DS−200に較べて不安定なヘリオスに楽しそう。 ![]() 快適なDRもこのあたりでかげりを見せ始める。 ![]() 右岸方向に竿を出している。 右岸ギリギリにへばりついて通ろうとしたら、 直前でわれわれに気づいた釣師は、 手で「後ろを通れ」と合図。 急遽回頭して左岸よりを抜ける。 この後も断続的に釣師。 喜久松苑の手前の瀬では、文句を言われる。 だんだん気持ちが萎えてくる。 ![]() ![]() 昼食は、13時過ぎに神代橋の下の川原にて。 いつものように、コンビニのおにぎりとパン。 バーナーでお湯を沸かしてコーヒーを入れる。 怖そうな二人組みの釣師が近づいてきた。 メグさんと会話を始める。 話してみると、普通の人であった。 「昨日は今年最後の放流日なので今週いっぱいは釣師がいるだろう」と教えてくれた。 また放流して一週間たつと、あらかた釣られてしまうそうである。 二人組みが去った後は、おじいさんがやってきた。 話してみると感じのよいなおじいさんである。 釣師もみんながみんな険悪ではないのか、それとも険悪な釣師も、竿を休めているときは普通なのか・・・ 一時間あまり休憩して14:12出艇。 この後も、断続的に釣師に遭遇して、進路変更やライニングダウンを余儀なくされた。 また、水位も低く、軍畑大橋下流、奥多摩橋下流、神代橋下流その他では釣師に関係なく、ライニングダウン。 釜の淵通過は14:53。出発して3時間10分後であった。 ![]() ここから先へ行くのは2年ぶりだ。 ![]() ![]() そして、鮎美橋の下流でまさかの沈。 アンダーカットロックに流れがぶつかって左にカーブしているなんてことない箇所。 右舷側が岩に当たって、アンダーカットロックなので、体が上流側に傾いてあっさり沈。 厳密には、艇はそのままで、人だけ落ちたといえなくもない。 ![]() ![]() 久しぶりの調布橋。 左の写真は、通過前の下流方向。右写真は、通過後の上流方向。 このあたりまで来ると、川幅もだいぶ広くなってくる。 ![]() ![]() やはり久しぶりの下奥多摩橋。 左の写真は、通過前の下流方向。右写真は、通過後の上流方向。 両岸は樹木に覆われているが、谷の上にはマンションが建つ。 調布橋の手前は、水の多いときはうねりができるが、この日はどおってことない。 ![]() ![]() 下奥多摩橋下流左岸の崖。 左の写真は、下流方向。右写真は、振り返っての上流方向。 2年前の増水気味のときは、このあたり大きい波が立っていた。 やはりこの日は何てことない。 ![]() 護岸が変な構造になっていて、 流れが左右に分断されている。 水が多いときは水面下だろう。 ![]() 15:40。 この時点で出発して3時間57分。 ![]() ここから先は未漕区間。 日も傾いて気温も下がってくる。 ![]() 遠くに見えているのが、「小作取水堰」。 ![]() ![]() 15:52 小作取水堰に到着。 この日は堰が降りていて(降りると堰が閉まる構造)、バックウォーターが淀んでいる。 こういう時、セルフベイラーは最悪で、気色悪いのがどんどん侵入してくる。 堰の少し手前で、右岸に上陸してポーテージ。 上陸しようとしていると、制服を着たおじさんが近づいて来た。 ここで管理人から制止されたというレポートを読んだことがあったので、 警戒モードになる。散々釣師に謝ってストレスが溜まっているので、 「木っ端役人、来るならきやがれ」の気持ちになってくる。 「こんにちは〜。大丈夫ですか?」 予想に反して、おじさんの掛けてきた言葉は優しかった。 「がんばってね〜」 なんと私の心根は歪んでいたことか・・・。 ![]() ボコボコと突起があるので多少歩きにくいが、問題はない。 堰のそばには魚道があるので、 あまり近づきすぎずに上陸したほうがいいだろう。 ![]() ポーテージに23分。 二人で一艇づつ運んだ。 釣師による精神疲労と肉体疲労が重なり、結構バテ気味。 ![]() 川底も砂利ではなくて、砂っぽいところがある。 依然として時折艇を降りるが、 足が砂に沈む箇所があった。 そして、ここまでくると、釣り人はいても川幅が広いのでストレスがない。 ![]() 通常水位であれば特に問題はないだろう。 ![]() 16:46、ついにゴール。 スタートして5時間3分が経過していた。 もう、ヘロヘロである。 ![]() 写真遠景の堰の脇を抜けて、手前の艇を置いた場所まで、 足元の悪い中、再び艇を運んだのであった。 ![]() 今回もずりずりズリズリ何度も底を擦ったが、 さすがに、多少のダメージがあった様だ。 ![]() この写真を撮ったのが17:28。 いやもう、とにかく、疲れた。 しかし、発電所から羽村堰までの17.7km。 達成感と充実感もあるのであった。 ただ、一年に2回くらいでいいだろう。 さて、今回はとにかく、釣師がきつかった。 前回の放流日が4/5(日)で、翌週の4/11(土)には大して釣師がいなかった事。 なんと言っても平日である事。 これらの点から問題ないとの読みだったが、大いに外れてしまった。 神代橋で話した釣師の方によると、 今回は今年最後の放流日だから、前回より人が多いはず。との事であった。 また、4/30は平日と入っても、100%完璧な平日ではないという事だろう。 同行したメグさんも休みであった。 それにしても、今回は「すみません、しつれいします」の連発だった。 しかし、終盤、なんでカヌーばかり一方的に謝っているんだろう・・・。 そう思い立ち、元気よく「スミマセンッ! シツレイシマスッ!」とやると、 これが中々効果があった。たぶんに内面的なことだけかもしれないが・・・。 いずれにしても、「たとえ平日だとしても、放流翌日は下ってはいけない」というのが教訓である。 次に、水量。 17.7kmを下るのに、調布橋−2.55は少な過ぎる様だ。 −2.2位なら快適に下れたんではないだろうか。 ただ、向かい風にならなかったのが、せめてもの救いであった。 水が多いときに、再び通しで下ってみたい。 ■--- バンディットT インプレッション その2---■ 前回、「とにかく、よく弾む、よく跳ねる」と書いたが、 今回は、ベイラーホール一つ分、シートを前に移動させた。 このせいか、安定感が段違いで良くなった。 前回はちょっとした瀬で、ウイリーっぽくなったが、 この日は、もちろん跳ねるものの、前回に比べるとはるかに安定して波を潰して行く。 そして、今回、途中まですべての荷物をシートの後ろ側に積載した。 このせいか、前回ほどの喫水の浅さが感じられない。 よく底をする。 浅瀬で艇を引いている時も、後ろが沈んで擦っている。 ぶっといチューブの割りに、ちょっとしたシート位置の違いや、 荷物の位置で、敏感に乗り心地が変化する。 実に面白い艇だ。 今回、流れの緩やかなところを漕いだが、どうやらこの艇は足が遅い様だ。 一緒に下ったメグさんのヘリオスにすぐ離されてしまう。 後で聞いたら普通に漕いでいたということだったが、 こちらは、そこそこ頑張って漕いでやっとついていく様な感じだった。 ==data===== ■河川:多摩川 ■コース:発電所 〜 羽村堰 ■メンバー:メグさん ■用艇:バンディットI。 ■天気:晴れ。 ■釣師:多数・・・。 ■川の防災情報によると12:00の調布橋が-2.55。 但し、2007年の台風9号以降、以前よりも水位が低めに出ている。30cmくらいプラスすると前の感覚だろうか。。。 途中、何箇所かライニングダウン。特にストレスはなし。 ■水温:11:32の発電所の川原が約13.2℃。 ■気温:気象庁によると青梅の気温は最高23.6。 ■スタート地点駐車場:御岳苑地駐車場。 ■ゴ ー ル地点駐車場:羽村堰駐車場。(着替えはここ)。 ■タクシー:利用なし。 ■昼食:相変わらずコンビニのおにぎり・パン+コーヒーを淹れる。 ■服装:上:半袖のウエット。(パドリングジャケットも携行したが使わず。) 下:長ズボンのウエットスーツ。ネオプレーンの靴下。 ■旅程。2009.04.30 09:20 羽村堰駐車場着。 (ここで着替える。) 10:44 御岳 発電所の駐車場着。 (カッコ内は経過時間) 11:43( 0:00 - 0.0Km) スタート *** 上陸して艇の調整 5分程 *** 11:55( 0:12 - 0.5Km) 御岳橋 11:57( 0:14 - 0.6Km) 御岳小橋 12:02( 0:19 - 1.1Km) 鵜の瀬橋 12:07( 0:24 - 1.6Km) 楓橋 12:24( 0:41 - 2.9Km) 軍畑大橋 12:33( 0:50 - 4.0km) 喜久松苑 12:40( 0:57 - 4.1Km) 奥多摩橋 12:48( 1:05 - 5.0km) テニスコート 12:58( 1:15 - 5.3Km) 好文橋 13:09( 1:26 - 6.4Km) 神代橋・着 *** 昼食 63分 *** 14:12( 2:29 - 6.4Km) 神代橋・発 14:26( 2:43 - 7.4Km) 和田橋 14:47( 3:04 - 9.7Km) 万年橋 14:53( 3:10 - 10.4Km) 柳淵橋 14:58( 3:15 - 10.9Km) 鮎美橋 15:09( 3:26 - 11.7Km) 調布橋 15:18( 3:35 - 12.4Km) 下奥多摩橋 15:40( 3:57 - 14.2Km) 河辺・市民球技場 15:46( 4:03 - 14.6Km) 圏央道 15:49( 4:06 - 15.0Km) 友田水管橋・多摩川橋 15:52( 4:09 - 15.4Km) 小作取水堰・着 *** ポーテージ 23分 *** 16:17( 4:32 - 15.4Km) 小作取水堰・発 16:46( 5:03 - 17.7Km) 羽村取水堰 ゴール ※時間はデジカメのタイムスタンプを基にしたもので、多少の誤差はあります。 (2009.05.06 up) -- 修正履歴 -- |